引喩と暗喩(六) : 源氏物語における白氏文集、「琵琶引」など

書誌事項

タイトル別名
  • Allusion and Metaphor (VI) : The Role of "Lute Songs" (poems to be sung accompanied by The biwa or Chinese lute) and other poems from Po Chü-I's Collected Works in The Tale of Genji
  • 引喩と暗喩-6-源氏物語における白氏文集,「琵琶引」など
  • インユ ト アンユ 6 ゲンジ モノガタリ ニ オケル ハクシ モンジュウ ビ

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抄録

この論文は『源氏物語』が『白氏文集』を喩としてどのように引用するかを考察するものである。  一 「紅葉賀」における「夜聞歌者」は藤壺の俤をしのばせるもので、これを引きついで、源氏の凋落を暗示するものが、「賢木」における「琵琶引」である。  二 「明石」における「琵琶引」は源氏の流謫を白楽天の流謫になぞらえるものである。  三 「横笛」における「琵琶引」は音楽が現象を越えて心を結びつけるものであることを示そうとする。  四 「藤裏葉」における「三月三十日題慈恩寺」は大宮の慈恩を強調するものである。  五 「須磨」における「冬至宿楊梅館」は流離と孤閨の悲しみを暗示するものである。  六 「須磨」における「八月十五日夜禁中独直対月憶元九」は、配所の月を見ながら藤壺思慕を語るためのものである。  七 「鈴虫」における「八月十五日夜禁中独直対月憶元九」は、生死、愛憎を越える人間関係を訴えるものである。

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