Perception of Japanese moraic-nasal (/ɴ/) sounds followed by a vowel : A comparison of Japanese native speakers and Korean learners of Japanese

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  • 母音間における撥音の知覚判断 : 日本語母語話者と韓国語を母語とする日本語学習者との比較
  • ボイン カン ニ オケル ハツオン ノ チカク ハンダン ニホンゴ ボゴ ワシャ ト カンコクゴ ヲ ボゴ ト スル ニホンゴ ガクシュウシャ トノ ヒカク
  • ボイン カン ニ オケル ハツオン ノ チカク ハンダン : ニホンゴ ボゴワシャ ト カンコクゴ オ ボゴ ト スル ニホンゴ ガクシュウシャ ト ノ ヒカク

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Abstract

学術論文

本稿は、日本語の母音間の撥音の認知において「調音器官への接近の度合い」がどのような影響を及ぼすかについて知覚実験を行ったものである。テスト語は、有意味語(五千円/goseɴeɴ/)である。日本語母語話者7名に4段階の発話速度でテスト語を生成してもらい、計28個の音声を刺激音として収集した。音声の分析の結果、3モーラ目が鼻母音として生成された音声([ẽ],[ĩ])が6音、鼻音化した接近音として生成された音声([ɰ̃])が11音、閉鎖鼻音([ɴ])として生成された音声が11音であった。これらの音声に対して、「五千円」「ご声援」のどちらに聞こえるか、日本語母語話者30名と韓国語母語話者で日本語初級レベル30名と日本語上級レベル30名に判断を求めた。実験の結果、日本語母語話者はほぼすべての刺激音に対して、常に初級学習者より撥音としての判断率が有意に高く、特に完全な閉鎖が行われていない場合([ẽ],[ĩ],[ɰ̃])においてそれが顕著であった。また、閉鎖鼻音([ɴ])であっても、初級学習者の撥音としての判断率は日本語母語話者より低かった。日本語の撥音の音声は、閉鎖の緩やかさと不完全さが特徴であるという見解があり(川上1977等)、本研究で使用した音声も閉鎖が弱い音声であったが、韓国語のように語末鼻音を明確に閉鎖する言語話者にはこのような音声は撥音としての判断を下しにくかったものと解釈できる。一方、上級学習者の場合、母音間の撥音としての判断率は日本語母語話者と同様であり、学習レベルが進んだ段階の学習者においては、閉鎖が行われていない音声に対しても撥音としての許容度が高くなっていた。

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