線溶系を介した脂肪細胞の正常細胞への影響

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  • センヨウケイ オ カイシタ シボウ サイボウ ノ セイジョウ サイボウ エノ エイキョウ

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肥満率の低下を目標に様々な取り組みがなされているが、生活習慣病は予備軍を含め増加傾向にある。脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインが生活習慣病の発症に深く関わっていることが知られているが、肥満状態にあると生活習慣病以外の疾患の病態や予後にも影響する可能性が大きいことも注目され始めている。特に肥満脂肪細胞から分泌され、虚血性循環器疾患に関連する線溶系の阻害物質であるプラスミノゲンアクチベータインヒビター-1(PAI-1)は、線維化病変の指標にもなっている。全身に分布する血管内腔で血液と直接接する血管内皮細胞と脂肪細胞との細胞間相互作用を詳細に検討することは多くの疾患の予後を推測できると考えられる。そこでPAI-1を産生する脂肪細胞の培養上清を血管内皮細胞に添加し、内皮細胞のウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ(uPA)およびPAI-1産生の変化を測定した。脂肪細胞の培養上清を添加した血管内皮細胞では、uPAおよびPAI-1の産生が増加しており、脂肪細胞から分泌されたアディポサイトカインが血管内皮細胞や血管周囲組織の恒常性維持機能に影響を与えることが示唆された。

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