大学病院において看護師長が体験する倫理的問題

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  • Ethical Issues Experienced by Head Nurses at University Hospitals

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説明

本研究の目的は、高度医療を担う大学病院において看護師長が遭遇する倫理的問題の実態と、その対応や教育ニーズへの認識を明らかにすることである。研究方法は、入院病棟を管理する看護師長46名を対象とし、「ETHICS and HUMAN RIGHTS in NURSING PRACTICE」 (S.T. FRY & NEN. 1997) を用いた質問紙法である。この結果、多くの看護師長が体験し、悩んでいる問題として「看護師の充足状況」の問題が挙げられた。診療報酬制度によって定められた看護配置と大学病院という急性期病棟のスタッフナースがおかれている多忙な状況の間で、看護師長の独力では解決出来ない問題に苦悩していた。また、倫理的問題の対処の際には、主治医との協力が有効であると認識しているが、同時に医師との対立があることも頻繁に体験しており、問題解決へ向けての十分な相互理解をはかる必要性が示唆された。長い臨床経験の中で看護師長は倫理に関して学習し知識を深めながらも、倫理に関する教育の必要性に高い認識を示した。以上の結果から、看護師長は倫理的問題の解決は困難であるが、その重要性を認識し、努力を続けていることが示された。

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