社会科公民教育のための「私利」と「公益」の比較研究

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抄録

本稿は、社会科で経済教育を円滑に行う前提として、「私利」と「公益」の意味を整理し、説明する方法をまとめたものである。「社会」や「経済」に対する「考え方」が人それぞれであるとしても、言葉の定義はある程度共通しておかなければ、意思伝達がまともにできなくなる。このことから本稿では、まず辞書を使って意味を確認した。次に、複雑な社会構造の整理の仕方を説明するため「家」が本来持つ意味に着目し、「大きな家」と「小さな家」の二極に分けた単純な例で、図示することを試みた。これにより、「私」と「公」という立場の違いによって、「社会」の捉え方が「世の中」と「人の集団」、「経済」の捉え方が「貨殖」(金儲け)と「経国済民」に分かれることを示した。また、「私利」の測り方である「収支」と、「公益」の測り方である「国民所得」の違いを確認した。

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