関係性に応じた怒り感情の制御に関する規範の検討

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タイトル別名
  • The effects of the norm related to anger regulation according to interpersonal relationship
  • カンケイセイ ニ オウジタ イカリ カンジョウ ノ セイギョ ニ カンスル キハン ノ ケントウ

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抄録

感情の表出-非表出を軸とした感情制御方略に関するこれまでの研究では、概して精神的健康との関連においてその効果が検討されてきた。しかしどういった制御方略が効果的であるかは、少なくとも怒りについては、相手との関係性により異なる。こうした関係性に応じた制御方略の使用を規定する要因の1 つとして、感情制御に関する規範が考えられる。しかし規範に関するこれまでの知見では、地位と親密性のどちらの要因が関わっているか定かでない。そこで本研究では怒りに注目し、場面想定法を用いて、地位と親密性の要因が怒り感情制御に関する規範や制御方略の使用傾向に与える影響について検討した。その結果、概して地位の要因が、怒り感情制御に関する規範に影響を与えていることが明らかとなった。しかし一方で、規範が制御方略の使用傾向に与える影響を統制しても、なお地位の要因は制御方略の使用傾向に対して影響を示した。こうした結果を踏まえ、規範以外に制御方略使用の規定因を探る必要性や、オンラインでの情報処理を検討する必要性について議論された。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 8 35-42, 2008

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

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