「グラスルーツ・リサーチ」による学校研究の可能性 : ローゼンバウムの方法論を参考に

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書誌事項

タイトル別名
  • The Possibility of School Studies using “Grass-Roots Research" : Reference to Rosenbaum's Methodology
  • グラスルーツ リサーチ ニヨル ガッコウ ケンキュウ ノ カノウセイ ローゼンバウム ノ ホウホウロン オ サンコウニ

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抄録

本研究は、ローゼンバウムがアメリカで行ったケース・スタディを参考に、日本の学校研究を行う方法論について考察したものである。ローゼンバウムはそれまでの大規模調査中心の学校研究に代わり、「グラスルーツ・リサーチ」を提唱した。「グラスルーツ・リサーチ」とは、学校記録の活用を中心に、質問紙調査やインタビュー調査を組み合わせた総合的な研究方法である。「グラスルーツ・リサーチ」によって、質問紙調査やインタビュー調査だけではわからない、学校内の選抜の実態を明らかにすることができる。さらに、ローゼンバウムの方法論は、選抜の問題だけではなく、他の教育や学校の課題を明らかにするためにも広く応用することができる。これまでの日本の学校研究においては、量的調査や質的調査、あるいは両方を組み合わせた混合研究法による研究は見られるが、「グラスルーツ・リサーチ」のような研究方法が試されたことはほとんどなかった。今後は、アメリカの総合制高校と選抜の形態が似ていると考えられる、日本の総合学科高校における進路選択の問題などに対しても、「グラスルーツ・リサーチ」の方法論が適用できると考える。

収録刊行物

  • 大阪大学教育学年報

    大阪大学教育学年報 16 101-113, 2011-03-31

    大阪大学大学院人間科学研究科教育学系

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