親密な関係における暴力の分類と促進要因の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Classification of domestic violence and examination of risk factors
  • シンミツナ カンケイ ニオケル ボウリョク ノ ブンルイ ト ソクシン ヨウイン ノ ケントウ

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説明

本研究は、一般にドメスティック・バイオレンス(以下、パートナー暴力)と呼ばれる親密な異性関係における暴力をとりあげ、その暴力を分類しさらに暴力を促進する要因について検討したものである。157名の女性対象者に、パートナー暴力促進要因、調査対象者の暴力被害経験、加害者と調査対象者の関係、暴力への対処方法をたずねた質問紙調査をおこなった。結果は、パートナー暴力が「冷静-興奮」、「身体的傷害」の二次元で整理可能なこと、また直接的暴力と間接的暴力に分けられることを示唆した。さらに、加害者の自己評価の高さ、加害者の印象の移り変わり、加害者の伝統的性役割観の強さ、加害者のストレスの強さ、加害者の感情的印象、加害者が暴力を許容する程度が大きいこと、加害者の攻撃性の強さ、加害者の両親におけるパートナー暴力関係によってパートナー暴力が促進することが確認された。結果に基づいて、パートナー暴力が暴力なしの状態から直接的暴力へ、暴力なしの状態から間接的暴力へという2種類の進路でエスカレートすることが示唆された。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 3 85-91, 2003

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

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