小児喘息児の情動制御と母子の相互作用との関連に関する研究の概観と展望 : 母親機能の活性化による情動制御介入を目指して

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タイトル別名
  • A Review of the Relation between Studies on Emotion Regulation in Pediatric Asthma and Mother-Child Interaction : Toward Emotion-Regulation Intervention by Activating Maternal Functions
  • ショウニゼンソクジ ノ ジョウドウ セイギョ ト ボシ ノ ソウゴ サヨウ トノ カンレン ニカンスル ケンキュウ ノ ガイカン ト テンボウ ハハオヤ キノウ ノ カッセイカ ニヨル ジョウドウ セイギョ カイニュウ オ メザシテ

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抄録

小児喘息は,代表的な心身症であり,情動制御に問題があると指摘されている。情動制御は,喚起された情動により行動を変化させることと,情動そのものを変化させるという2 つの要素から構成され,役割としては,モニタリングや情動の調節などがある。情動制御が困難な場合,身体・精神疾患の危険因子となりうる。情動制御の発達への影響は,初期の神経生理学的成長を基盤とし,情動に関する概念の理解,情動をマネジメントする対処方略,社会的影響(例えば,親のコーチング,モデリング,直接的指示,会話,母子相互関係など)がある。特に,母親の母子相互作用時の情動や行動そして子どもの気質が重要な要因となる。本論文では,情動制御の発達に大きな影響を与える母子関係に焦点をあて,まず,母親の子どもの情動制御の発達に関係する機能について検討し,喘息児の母子相互作用に関する研究の知見について整理を行った。次に,喘息児の情動制御の障害と症状や重症度との関連についての研究を整理し,最後に,臨床群を対象にした情動制御への介入の実践の効果を検討し喘息児への情動制御発達への介入に関する示唆を得ることとした。

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