マンガ世界を通してみるユースカルチャー : 内容分析の読者志向的解釈

書誌事項

タイトル別名
  • Youth Culture in Popular Comics : Content Analysis from Reader's View
  • マンガ セカイ ヲ トオシテ ミル ユースカルチャー ナイヨウブンセキ ノ ドクシャシコウ テキ カイシャク

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説明

本稿の目的はユースカルチャーの把握である。若者文化は「若者に創造・受容・共感されているパースペクティブ」から把握することが可能であるし、また重要でもある。そこで若者によく読まれているマンガを分析資料とする。さて、マンガは社会的機能・効果ゆえに読まれるのではなく、内容ゆえに読まれていると考えられる。したがって物語記号論を援用しながら内容分析を行う。しかし従来の内容分析は読者の解読コードを軽視するという欠点を持つ。ゆえに、読者(本稿では高校生)にアンケートを行い、その解釈に沿いつつマンガの内容分析を行うこととする。そうしてこそ、「マンガが提示する世界」を受け入れる若者らの世界胴照射されるのである。受け手の解読は「サブカルチャー」と関連していることから、具体的分析に先立ち、アンケート全体から高校生はある種の閉塞状況にあると推察した。それをふまえた後、実際の具体的作品を分析した。人気マンガの描く世界は、一つには成長する「強さ」がないと自覚している読者にとっての「主人公の成長の物語」であり、もう一つは「人のいる孤独」を感じる読者にとっての「主人公の信頼関係の物語」であった。それは若者の隠れた望みをかなえる「癒しの装置」になる。以上から若者は本質的には満たされない「一応の幸福の世界」に閉塞されていると推測できる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290699781696768
  • NII論文ID
    120004845777
  • NII書誌ID
    AN1055404X
  • DOI
    10.18910/11591
  • HANDLE
    11094/11591
  • ISSN
    13419595
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles

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