The Coexistence of Neoliberalism and Democratic Socialism in recent Brazilian Educational Reforms

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抄録

ブラジルはBRICsの一員として急速な経済成長を遂げたことで注目されているが、教育改革も急速におこなわれている。ブラジルの経済成長の要因は、国際機関の介入のもと新自由主義的改革を断行したことによるが、今日の教育改革もまた新自由主義的な発想のもとでおこなわれている。まず本稿が取り組んだのは、ブラジルの教育改革を象徴すると思われる四つの教育改革を概観し、新自由主義的改革の実相を明らかにすることである。ここで見出されたのは、教育改革がナショナルテストや数値化を伴って加速化し、学校各々に数値目標が課せられ、教師の給与体系にも影響しているという実態である。他方で、新自由主義的改革に抗うような教育改革もみられた。すなわち、再分配を基本とした社会民主主義的な教育改革が取り組まれている。では以上のような二つの志向をもった教育改革は、いかなる影響を現場に与えているのであろうか。本稿ではこれらの教育改革が与えた影響について、二つの学校を取り上げ分析した。ここでは、新自由主義的な制度に取り組みながら、福祉政策と連携した教育制度を同時に実施しなければならない現場の困難さを明らかにした。

収録刊行物

  • 大阪大学教育学年報

    大阪大学教育学年報 16 133-146, 2011-03-31

    大阪大学大学院人間科学研究科教育学系

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