Green Tea Service and Traditional Nursing Practice

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  • 配茶と伝統看護の実践

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抄録

20世紀の日本では,看護業務の合間に看護師,看護助手が病棟の配茶(緑茶サービス)を行ってきた。しかし,現在ではこのサービスはリスクやコスト,味覚や嗜好の変化から徐々になくなりつつある。緑茶の茶葉から抽出されたカテキン類(ポリフェノールの一種)には,癌予防や感染予防という生物学的な効能を認めることがよく知られている。我々は4種類の主なカテキン類による骨肉腫細胞の増殖抑制効果をin vitroにて実験した。ガレート基のついたカテキン類(epicatechin gallate [ECG], and epigallocatechin gallate [EGCG])にその効果が高い結果が得られた。それらは細胞内にアポトーシス変化を誘導した。さらに細菌学的実験ではO鎖を欠損し異なる長さの糖鎖を持つSalmonella enterica変異株で,カテキン類に対する感受性が高いことを見出した。カテキン類は感染予防に対して効果はあるものの,室温に置いたペットボトル内のお茶では細菌繁殖が認められ,飲み残しによる感染の増大があることも確認した。一方,スポーツ飲料には保存状態にかかわらず,その可能性はほとんどない。実際に何らかの疾病に対してお茶を処方することは行われてないが,伝統的看護という見地において,身体的(体を温める効果)・精神的(心を癒すリラックス効果)・社会的(医療者患者間のコミュニケーションの手段)という3 つの効果があり,伝統看護における配茶(緑茶サービス)を推奨したい。

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