計量調査から見る「ネット右翼」のプロファイル : 2007年/2014年ウェブ調査の分析結果をもとに

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書誌事項

タイトル別名
  • A Profile of Netto-uyoku : Quantitative Data Analysis of Online Questionnaire Surveys in 2007 and 2014
  • ケイリョウ チョウサ カラ ミル ネット ウヨク ノ プロファイル 2007ネン 2014ネン ウェブチョウサ ノ ブンセキ ケッカ ヲ モト ニ

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抄録

社会学 : 研究ノート

本稿では、2007年と2014年に実施したウェブ調査の結果から、「ネット右翼」層の規模と属性・行動・意識等の特徴について報告する。「ネット右翼」とは日本版のオルタナ右翼とも言えるものであり、本研究では、1)中国と韓国への排外的態度、2)保守的・愛国的政治志向の強さ、3)政治や社会問題に関するネット上での意見発信・議論への参加という3点から操作的に定義した。この定義に合致するケースは、2007年調査では全標本中の1.3%、2014年は1.8%であった。これらのあいだに統計学的な有意差はなく、「ネット右翼」層が増えたとは言えない。また調査標本の特性を考慮すると、ネット利用者全般における「ネット右翼」の比率は、実際には1%未満と見積もるのが妥当と思われる。2014年調査データの分析結果によれば、「ネット右翼」層には男性が多く、年齢や学歴には有意な特徴はない。ネットのヘビーユーザであり、ソーシャルメディアのなかではTwitterを活発に利用する。「2ちゃんねる」を含む掲示板全般、「ニコニコ動画」を含む動画サイト全般の利用頻度も高く、右派系のオンラインニュースサイトへの選択的接触傾向をもつ。ネット上で他者とのトラブルを経験した率が高く、オンライン脱抑制の程度もネット中毒の程度も強い。

収録刊行物

  • 年報人間科学

    年報人間科学 38 211-224, 2017-03-31

    大阪大学大学院人間科学研究科社会学・人間学・人類学研究室

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290699784830592
  • NII論文ID
    120005998754
  • NII書誌ID
    AN0020011X
  • DOI
    10.18910/60471
  • HANDLE
    11094/60471
  • ISSN
    02865149
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles

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