青年期の学生を対象とした障害者に対する社会的距離の検討

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タイトル別名
  • A study on social distance towards handicapped people for adolescent students
  • セイネンキ ノ ガクセイ ヲ タイショウ ト シタ ショウガイシャ ニ タイスル シャカイテキ キョリ ノ ケントウ
  • セイネンキ ノ ガクセイ オ タイショウ ト シタ ショウガイシャ ニ タイスル シャカイテキ キョリ ノ ケントウ

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抄録

原著

本研究では、青年期の若者が、社会的マイノリティに対して抱く社会的距離と、その構造について検討した。2種類の人物(精神障害者像提示条件・非提示条件) を描写した刺激文を提示し(参加者内要因)、青年期後期の学生65 名(年齢: M =21.63, SD = 5.82 ; 性別: 男性5 名, 女性60 名)を対象にするシナリオ実験を実施した。続いて、社会的距離の構成要素である、行動面・認知面・感情面に関する測定項目に回答を求めた。検証の結果、精神障害者提示条件では、認知面と感情面が、行動面を予測することが示されたが、非提示条件では認知面のみが行動面に影響していた。精神障害者に対する態度においては、理解できないといった認知のみならず、感情が一定の効力を持ち、否定的な感情が拒否的・非受容的行動を促すことを示唆している。一方、非提示条件では、感情面の効力は確認されなかったことから、対象人物に対し、感情を揺さぶられることなく、冷静に行動を決定できていたことがうかがえる。地域生活支援において、社会的マイノリティへの拒否的行動を低減・解消するためには、地域住民たちの持つ認知や感情に介入し、その内容を好転させるような心理教育の実践が求められる。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 18 95-101, 2018

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

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