分析社会学と合理的選択理論の関係性についての批判的検討 : 選好と信念形成メカニズムの解明という共通問題
書誌事項
- タイトル別名
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- On the Debate between Analytical Sociology and Rational Choice Theory : Dissecting the mechanism of preference and belief formation as a common puzzle
- ブンセキ シャカイガク ト ゴウリテキ センタク リロン ノ カンケイセイ ニ ツイテ ノ ヒハンテキ ケントウ センコウ ト シンネン ケイセイ メカニズム ノ カイメイ ト イウ キョウツウ モンダイ
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説明
論文
近年、分析社会学と呼ばれる新しい社会学研究プログラムに注目が集まっている。本稿の目的は、分析社会学と合理的選択の社会学の間で生じている論争の検討を通じて、両者がどのような関係性にあるのかを明らかにしたうえで、向かうべき今後の道筋を探ることにある。本稿では、研究プログラムとしての分析社会学と合理的選択の社会学、理論としてのDBO理論と合理的選択理論を区別したうえで、両者の違いや共通点に注目した。まず両者の関係性を探るために、研究プログラムや理論を比較し、(1)分析社会学は合理的選択の社会学が直面した困難を乗り越えるために構想されたメタ理論・研究プログラムであり、その優位性を主張するためにはこれらの困難の克服が不可欠であること、(2)DBO理論と広い合理的選択理論が等価であり、DBO理論の使用だけでは困難を克服できないことを確認した。このことから、分析社会学は合理的選択の社会学が直面した困難を乗り越えておらず、それらは積み残されたままであることを指摘した。今後の方向性として、分析社会学や合理的選択の社会学は、「選好と信念形成メカニズムを解明する」という共通問題に取り組むべきであると主張した。その際、分析社会学と合理的選択の社会学が、選好や信念形成メカニズムに関する知見を相互に参照しつつ、困難の解決を目指すべきであることを強調した。
収録刊行物
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- 年報人間科学
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年報人間科学 40 53-72, 2019-03-31
大阪大学大学院人間科学研究科社会学・人間学・人類学研究室
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390290699789956992
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- NII論文ID
- 120006600782
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- NII書誌ID
- AN0020011X
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- DOI
- 10.18910/71613
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- HANDLE
- 11094/71613
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- ISSN
- 02865149
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles