書誌事項
- タイトル別名
-
- <総説>甲状腺細胞充実巣(Solid cell nests)-組織形態と病理学的意義-
この論文をさがす
説明
甲状腺のいわゆる細胞充実巣 so-called solid cell nests(SCN)の形態,病理学的意義等について記述した。SCNは決して稀な所見ではなく,剖検例甲状腺(240例)では10.0%に見いだされた。組織学的にSCNは細胞間橋を有しない非角化型扁平上皮細胞か移行上皮様の細胞からなり,様々な分子量のケラチンや癌胎児性抗原(CEA)が免疫組織化学的に証明された。また細胞巣の辺縁ないしは周囲にカルチトニン陽性細胞(C細胞)が孤立性に見いだされた。充実性構造に加えて,扁平上皮細胞や粘液細胞が内面を覆う嚢胞状構造がときに認められ,その腔内には好酸性物質,細胞崩壊片,酸性粘液物質を容れていた。これらの形態的所見はSCNの鰓後体由来を示唆するものと考えられる。SCNと甲状腺実質細胞との発生学的関係や腫瘍の発現母地としての可能性についても考察を加えた。
収録刊行物
-
- 山梨医科大学雑誌
-
山梨医科大学雑誌 6 (4), 173-181, 1991
山梨医科大学医学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390290699793554688
-
- NII論文ID
- 110000499924
-
- NII書誌ID
- AN10044054
-
- ISSN
- 09120025
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- journal article
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles