自己心膜を用いた肺動脈形成と左肺上葉スリーブ切除により左肺全摘を回避できた一例

大貫 雄一郎, 松原 寛知, 内田 嚴, 松岡 弘泰, 市原 智史, 宮内 善広, 鈴木 章司, 松本 雅彦

doi:10.34429/00003807

自己心膜を用いた肺動脈形成と左肺上葉スリーブ切除により左肺全摘を回避できた一例

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抄録

症例は50歳代、男性。前医にて左肺扁平上皮癌と診断され当科を紹介受診した。CTで腫瘍は左肺門部に広く接しており、左上葉気管支および左肺動脈への浸潤が疑われた。術中所見では、肺動脈底幹と左下葉気管支は浸潤を認めず、自己心膜を用いた肺動脈形成と左肺上葉スリーブ切除を行うことで腫瘍の完全切除が可能であった。肺全摘術を回避できたことにより、術後の呼吸機能低下は軽度であり、現在外来にて再発や合併症なく経過観察中である。