術前、術後化学療法が有効で、完全奏効を得たstageIIIA肺腺癌の1例

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症例は59歳女性。2002年検診で左肺S3に結節影を指摘され、前医を受信したが診断が確定せず、通院を中断してしまった。2005年12月当院を受診し同部位に21㎜大の結節影を認めた。精査にて肺腺癌、cTlN2MO stage ⅢAと診断された。2006年2月中旬からcisplatin(CDDP)+TS-1併用療法を2コース、その後1胸部放射線療法(70Gy/35fx)を施行した。CT、PETで再評価したところ原発巣は13㎜大に縮小していたが残存し、1ンパ節転移は確認できなくなったため2006年10月に手術を施行した。術式は左肺上葉切除術+ND2a、肺動脈形成術で完全切除された。病理所見では原発巣の中心部は線維化し周囲にviabilityのある腫瘍細胞を認めたが、リンパ節転移はなくpT1NOMO stageIAだった。術後化学療法としてUFTを内服しているが、術後25ヵ月を経過し再発を認めていない。cN2 stageⅢA非小細胞肺癌は予後不良であるが、本症例では術前の化学放射線療法によりdawn stageが得られ手術を施行、術後化学療法を行い完全奏効が得られている。

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