ヘブライ語文法のジェンダー問題 : E. レヴィータとS. ミュンスターの時代

書誌事項

タイトル別名
  • Gender Problem in Hebrew Grammar in the time of : E. Levita and S. Münster
  • ヘブライゴ ブンポウ ノ ジェンダー モンダイ E レヴィータ ト S ミュンスター ノ ジダイ

この論文をさがす

説明

宗教改革期にヘブライ語聖書の原典を読もうとしてキリスト教徒がユダヤの文法学者にヘブライ語文法を学び始めてから、現在にいたるまでの、文法概念の変化には著しいものがある。当該論文は、とくに文法における男女ジェンダー概念をとりあげ、その生殖の自然セックスとの乖離について、文法学者がどのように考えてきたのかを11世紀〜16世紀の資料をもとに素描する。ヘブライ語名詞(形容詞)は、男女ジェンダー、単数複数の区別に従い曲用されるが、17世紀の文法学者は、男女の性に加えて、そのどちらでも構わない第3の性「結合(共通)」を考え、三つのジェンダー概念でヘブライ語文法を教える。このアイデアの過程には、集団と個の関係に注目するD. キムヒ文法の新発想があり、それは「事物の名詞」を中心にした新しい名詞の整理を提案するが、少なからず固有名詞と普通名詞の亀裂を深めてしまい、ヘブライ語文法の理解において混乱を生む。当該論文は、その名詞論の混乱を収拾しようとした16世紀の師弟E.レヴィータとS.ミュンスターが到達する名詞論の一つの体系化《固有名詞と普通名詞また形容詞は文法ジェンダーを共有する》に注目し、彼らの文法ジェンダーをめぐる革新的な理解の意義を再評価する。

収録刊行物

  • Co*Design

    Co*Design 7 57-86, 2020-02-29

    大阪大学COデザインセンター

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ