Research Trend on the CEFR in China Based on the Analysis of Related Literature

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  • 中国におけるCEFRに関する文献から見た研究動向
  • チュウゴク ニ オケル CEFR ニ カンスル ブンケン カラ ミタ ケンキュウ ドウコウ

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Abstract

論文

本調査報告は、中国学術情報データベースで検索できる論文を対象に、中国におけるCEFRに関する論議について、過去から現在にかけてどのような人々が何についてどのような指摘をしてきたのかを整理し、検討を行うものである。(1)中国におけるCEFR関係の論議は2011 年から活発し、(2)執筆者は上海や北京、広東、沿岸諸都市、直轄市の大学に所属する教師が半数以上を占め、(3)研究対象は高等教育段階が全体の7 割強を占めること(4)「学習者」「言語能力」「言語能力基準」「ヨーロッパ共通参照枠」「言語指導」「漢語指導」「漢語水平試験」は一貫して研究者の関心を集めていること、(5)英語教育と国際中国語教育関係の論議が9 割近くを占めること、(6)中国英語学習者能力尺度の開発とその検証、外国語教育現場でのCEFR理念の活用、いろいろな試験とCEFRとの比較などに関する指摘がなされたこと、の6 点が明らかになった。従来の研究で明らかにされていなかった問題点は以下の5 点にまとめられる。(1)研究対象となる学習段階には著しい偏りが見受けられる。中学段階、小学段階、学前段階の研究が期待されている。すべてのレベルの学習者の能力尺度の構築研究を進めるための支えにもなると考えている。(2)CEFRを中国の文脈で応用する際に、学術効果と中国大学の実情の間バランスをとりながら国家レベルの課程標準・指導要領・言語政策の制定が行われているが、CEFRが中国化していくプロセスはから受けている影響が大きい。(3)研究手法に関して、もっと広い範囲での質的な研究手法の活用が課題の一つであるといえよう。質的研究の方法を選択した研究は少しずつ増えていく傾向にあるが、課程標準策定に関わっている専門家へのインタビュー、特定分野の権威学者へのインタビューが比較的多く見受けられるが、現場の教師へのインタビューについて管見の限り見受けられなかった。(4)教員養成、教師関係の研究は3 本しか見受けられなかった。CEFRをどの程度現場に応用できるのか現場の教員に頼るところが大きいと考えられるので、CEFR関係の教師研究を進める余地がまだ十分にあると考えている。(5)特殊教育、他の言語教育に関する論述が十分とは言えない。CEFRはいろいろな可能性を提供しているので、関連研究の展開はこれからの課題の一つかもしれない。別の研究方法で議論すると、新しい結果が現れる可能性もあるが、本調査報告は、2018年12月まで中国学術情報データベースに収録されているCEFR関係の論議308本を整理し、分析を加えた。CEFRが中国でどのように受容され、どのように語られているか、言語教育を中国の文脈から、さらに世界の動向から捉えなおす基礎資料となれば幸いである。

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