ユネスコ非加盟の台湾からの世界遺産登録に向けた動き : 社会的文脈によって揺れる文化遺産

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近年、世界遺産関連の話題はますます盛り上がりを見せているが、台湾には世界遺産が1 ヶ所も登録されていない。これは台湾に後世に残すべき人類の遺産がないというわけではなく、中華民国(台湾)がユネスコに加盟していないということや中台関係が大きな要因である。こうした状況に対して台湾側にも「台湾世界遺産潜力点」として18か所の世界遺産登録候補地を設定し、アピールするという動きが見られている。そこで本稿では台湾世界遺産潜力点について簡述した後、18か所の中の1 つで、これまで9 つの外来文化の影響を強く残している新北市に位置する「淡水紅毛城及び周辺の歴史建築群」を紹介する。最後に台湾世界遺産潜力点がいかなる社会的文脈の上に位置づけられるのかを確認し、その特徴として台湾アイデンティティの強まりや、日本との関係性を分析する。

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