ハンガリー人日本語学習者のビリーフス

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  • ハンガリー ジン ニホンゴ ガクシュウシャ ノ ビリーフス

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抄録

ハンガリーでは、1989年の社会体制転換以降日本語学習者が急増し、学習機関や学習目的に多様化が見られるようになった。そしてこれを受ける形で2001年に日本語教師会が設立され、日本語教育を包括的に捉える下地も出来つつある。一方、学習者が「教師の役割」や「学習者の自律性」などに関してどのようなビリーフスを持っているかは日本語教育を進める上で非常に重要な意味を持っているが、これまでハンガリーではあまり注意が払われてこなかった。 そこで筆者は2002年4月にハンガリーの日本語学習者と日本語教師307名に対してビリーフス調査を行った。小論では調査結果を報告すると共に、その特徴を分析し考察を加えた。 調査の結果、ハンガリー人日本語学習者の特徴として、学習者としての自律性はあまり高くなく、目標達成には教師に従うのが最も近道と考え、語彙の学習が最も重要だと考える傾向が強いことなどが明らかになった。これらの学習者のビリーフスからは、共産主義時代の「到達目標設定システム」の影響が強く読み取れる。また、ハンガリー人日本語学習者は文の型や語彙使用などの正しさへのこだわりが強い傾向が見られるが、この背景には「到達目標設定システム」色を残す日本語に関する資格試験の存在がある。 小論では更に、学習者と教師、あるいは極東ロシア大学生のビリーフスとの比較により、今後の日本語教育のあり方についても考察を加えた。

identifier:http://www.jpf.go.jp/j/urawa/about/bulletin/pdf/14/investigation-02.pdf

identifier:8

identifier:KJ00000676366

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