男性耐糖能異常者の脂質代謝への体力,肥満度,インスリン抵抗性,性ホルモンおよび性ホルモン結合蛋白の関与

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  • 熊谷 秋三
    Kyushu University Institute of Health Science
  • 角南 良幸
    Fukuoka University Department of Sports Science
  • 高柳 茂美
    Kyushu University Institute of Health Science
  • 久保 敦
    Kyushu University Institute of Health Science
  • 花田 輝代
    Fukuoka University Chikushi Hospital Division of Nutrition Service
  • 坂口 三保
    Fukuoka University Chikushi Hospital Second Division of Internal Medicine
  • 加来 良夫
    Fukuoka University Chikushi Hospital Second Division of Internal Medicine
  • 二宮 寛
    Fukuoka University Chikushi Hospital Second Division of Internal Medicine
  • 佐々木 悠
    Fukuoka University Chikushi Hospital Second Division of Internal Medicine

書誌事項

タイトル別名
  • The Contribution of Endurance Fitness, Obesity, Insulin Resistance, Sex Hormones, and Sex Hormone-Binding Globulin (SHBG) on Lipids and Lipoproteins in Japanese Men with IGT and NIDDM
  • ダンセイタイトウノウイジョウシャノシシツタイシャヘノタイリョク,ヒマンド,インスリンテイコウセイ,セイホルモンオヨビセイホルモンケツゴウタンパクノカンヨ
  • ダンセイ タイトウノウ イジョウシャ ノ シシツ タイシャ エ ノ タイリョク ヒマンド インスリン テイコウセイ セイ ホルモン オヨビ セイ ホルモン ケツゴウ タンパク ノ カンヨ

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抄録

男性糖尿病患者のFree TおよびSHBGは,コントロールに比較し有意に低いことが報告されている。今回は,年齢でマッチングされたIGT,NIDDMおよび健常者(C)群の性ホルモン,脂質代謝特性の違いを比較検討すると共に,その違いをもたらしている要因としての体力,肥満度,インスリン抵抗性,性ホルモンおよびSHBGの貢献度を検討した。年令に有意差を認めず未治療および非薬物療法下にあるIGT(n=19,49±11才)とNIDDM(n=41,48±7才)および健常男性(n=167,46±8才)を対象に,脂質代謝特性,SHBGおよび性ホルモン特性を比較検討した。性ホルモン関連としては,E2,Free T,DHEA-s,SHBGを分析した。脂質代謝指標としては,総コレステロール(TC),中性脂肪(TG),高比重リポタンパク-コレステロール(HDL-c),推定による低比重リポタンパクコレステロール(LDL-c)を分析した。インスリン抵抗性(IR)は,HOMAモデルを用い算出した。患者群のBMIおよびWHRは,C群に比べ有意な高値を認めたが,%fatおよびVO2maxには有意差を認めなかった。患者群のHDL-cおよびFree T水準は,C群に比べ有意に低かった。さらに,IGT群のTGは,C群に比べ有意な高値を,一方NIDDM群のSHBG水準は,C群に比べ有意に低かった。IRスコアーは,NIDDM>IGT>C群の順に高値を認めた。全症例を対象にした重回帰分析の結果,体力,WHRおよびインスリン抵抗性が脂質代謝の有意な独立変数であることを認めた。これら男性糖尿病患者のFree TおよびSHBGは,コントロールに比較し有意に低いことが報告されている。今回は,年齢でマッチングされたIGT,NIDDMおよび健常者(C)群の性ホルモン,脂質代謝特性の違いを比較検討すると共に,その違いをもたらしている要因としての体力,肥満度,インスリン抵抗性,性ホルモンおよびSHBGの貢献度を検討した。年令に有意差を認めず未治療および非薬物療法下にあるIGT(n=19,49±11才)とNIDDM(n=41,48±7才)および健常男性(n=167,46±8才)を対象に,脂質代謝特性,SHBGおよび性ホルモン特性を比較検討した。性ホルモン関連としては,E2,Free T,DHEA-s,SHBGを分析した。脂質代謝指標としては,総コレステロール(TC),中性脂肪(TG),高比重リポタンパク-コレステロール(HDL-c),推定による低比重リポタンパクコレステロール(LDL-c)を分析した。インスリン抵抗性(IR)は,HOMAモデルを用い算出した。患者群のBMIおよびWHRは,C群に比べ有意な高値を認めたが,%fatおよびVO2maxには有意差を認めなかった。患者群のHDL-cおよびFree T水準は,C群に比べ有意に低かった。さらに,IGT群のTGは,C群に比べ有意な高値を,一方NIDDM群のSHBG水準は,C群に比べ有意に低かった。IRスコアーは,NIDDM>IGT>C群の順に高値を認めた。全症例を対象にした重回帰分析の結果,体力,WHRおよびインスリン抵抗性が脂質代謝の有意な独立変数であることを認めた。これらの結果から,脂質およびリポ蛋白特性には,肥満度や相対的な性腺機能の低下の関与というよりは,むしろ体力,WHRやインスリン抵抗性の関与が示唆された。

収録刊行物

  • 健康科学

    健康科学 21 1-7, 1999-03-15

    九州大学健康科学センター

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