酸化リノレン酸メチルによるtrypsin阻害

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  • Inhibition of Trypsin by Oxidized Methyl Linolenate
  • サンカ リノレンサン メチル ニ ヨル trypsin ソガイ

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抄録

著者らは酸化リノレン酸メチルがtrypsinを阻害することを明らかにしたので,リノレン酸メチルの自動酸化とtrypsin阻害との関連を研究した.結果は次の通りである.1.酸化リノレン酸メチルによるtrypsin阻害はCa^2+の存在していない系でのみ観察され,その阻害率はtrypsinの自己分解によってtrypsin活性が低下する条件で上昇した.2.酸化リノレン酸メチルの阻害作用は基質とではなくtrypsinとの反応に依存していた.3.自動酸化させたリノレン酸メチルによるtrypsin阻害は,POV,共役ジエン量およびTBA値が最高を示した40℃で1日間自動酸化させたリノレン酸メチルでは大でなく,酸化の進行に伴って漸増した.このことからtrypsin阻害はリノレン酸メチルハイドロパーオキサイドによるものでなく酸化二次生成物によることが明らかとなった.4.酸化リノレン酸メチルのBio-Beads S-X3カラムクロマト法による分画画分の中で,多量体による阻害が顕著であった.5.多量体の阻害作用はLinewever-Burkプロット法により非競合型であることが明らかとなった.

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