酸化リノレン酸メチルによるtrypsinの自己分解促進

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  • Acceleration of Autolysis of Trypsin by Oxidized Methyl Linolenate
  • サンカ リノレンサン メチル ニ ヨル trypsin ノ ジコ ブンカイ ソ

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抄録

酸化リノレン酸メチルによるtrypsin阻害機作を解明する端緒として,酸化リノレン酸メチルあるいは多量体と反応させたtrypsinの変化を調べた.結果は次の通りである.1.Sepadex G-100ゲルろ過法によって,酸化リノレン酸メチルとの反応でtrypsin画分の減少を認めたが,trypsinの重合体は検出されなかった.2.SP-Sephadex C-25イオン交換クロマト法によって,酸化リノレン酸メチルとの反応でα-,β-trypsinの著しい減少および末同定trypsinとtrypsinI画分の増加を認めた.これら後者2画分には低分子分解物も混在していた.一方,多量体との反応では未同定trypsinおよびtrypsin I画分の増加は大酸化リノレン酸メチルによるtrypsin阻害機作を解明する端緒として,酸化リノレン酸メチルあるいは多量体と反応させたtrypsinの変化を調べた.結果は次の通りである.1.Sepadex G-100ゲルろ過法によって,酸化リノレン酸メチルとの反応でtrypsin画分の減少を認めたが,trypsinの重合体は検出されなかった.2.SP-Sephadex C-25イオン交換クロマト法によって,酸化リノレン酸メチルとの反応でα-,β-trypsinの著しい減少および末同定trypsinとtrypsin I画分の増加を認めた.これら後者2画分には低分子分解物も混在していた.一方,多量体との反応では未同定trypsinおよびtrypsin I画分の増加は大ではなかったが,α-,β-trypsinは減少していた.3.多量体と反応させたtrypsinは自己分解によるC-末端アミノ酸残基[Lysおよび(あるいは)Arg]を増加し,その増加は阻害率に比例していた.以上の結果から,酸化リノレン酸メチルあるいは多量体との反応によりtrypsinの自己分解が促進されたと考えた.

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