犬の汗腺の機能組織学的研究 : I. 正常な状態におけるapocrine汗腺の組織細胞学的観察
書誌事項
- タイトル別名
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- Functional histology of the sweat gland of the dog. : I. Histological and cytological observations of the normal apocrine sweat gland.
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説明
犬のapocrine汗腺の構造と機能について組織細胞学的に研究し,次のような結果を得た. 1) 犬のapocrine汗腺は体表有毛部に観察されるが,著者らは腺部の発達段階からそれらをI型,II型およびIII型の3型に分類した.I型はもつとも原始的な型で棍棒状の腺体を有するが,II型は迂曲のかなりある巻貝のような形をした腺体を有する.III型は迂曲がはなはだしい糸球状腺体を有するもつともよく発達した型である.それらの腺細胞はすべて機能を有すると思われる形態学的変化を観察することができた. 2) Apocrine汗腺の分泌現象にともなう腺細胞の機能的変化は分泌期,休止期および蓄積期に分けられる.それらは1つの機能的循環を持つもので,その中で順次移行するものと推察する. 3) Apocrine汗腺腺細胞の分泌方法は分泌物を細胞質の一部とともに腺腔内に放出する型式と,分泌液のみを遊離端から流出させる型式がある.このapocrine汗腺の場合,前者は典型的な離出分泌であるが,後者はやや漏出分泌に近い. 4) Apocrine汗腺腺細胞は中性粘液多糖類または粘液蛋白および脂肪小滴などを多量に含有する. 5) 犬のapocrine汗腺導管の構造は人のapocrine汗腺導管のそれと基本的に同じ構造であるが,両者を比較すると犬の方が短く,表層細胞腺腔側の小皮縁の発達が悪いものと推察する. 6) 犬の肛門周囲の皮層腺の中にはapocrine汗腺からの変形腺があるが,それらは牛や人でみられるapocrine汗腺とeccrine汗腺の中間型の汗腺と同じ組織細胞学的構造を示す.
収録刊行物
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- 九州大學農學部學藝雜誌
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九州大學農學部學藝雜誌 21 (4), 329-333, 1965-05
九州大學農學部
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390290699814416128
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- NII論文ID
- 110001714905
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- NII書誌ID
- AN0005519X
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- DOI
- 10.15017/22939
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- HANDLE
- 2324/22939
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles