食用油脂中のスタノール成分

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タイトル別名
  • Stanol Components in Edible Fats and Oils
  • ショクヨウ ユシチュウ ノ スタノール セイブン

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抄録

各種の食川油脂およびマーガリン中でのスタノールの分布ならびに水素添加のステロール成分に及ぼす効果を調べた.スタノールの存在は硝酸銀含浸薄層クロマトグラフィーおよびキャピラリーカラムガスクロマトグラフィーで確認した.植物性食用油脂(トウモロコシ油,米糠油,サフラワー油,ナタネ油,大豆油およびココナッツ油)中には,含量にはかなりの幅があるが,スタノールが存在することを認めた.普通のマーガリンおよびソフトタイプのマーガリンのいずれにもスタノールが存在した,硬化油の製造に適用される条件と近似した条件で油脂を水素添加すると,水素添加の進行に伴つてステロールの分解が起こることが示された.完全に水素添加した場合,著しいステロールの分解が観察され,そのような油脂では不鹸化物画分のかなりの部分がジヒドロステロール(スタノール)であつた.この結果は脂肪酸の飽和化に用いられる条件下でもステロールが水素添加されることを示唆する.以上の結果は,スタノール類が天然成分として存在することを示すものであり,優れた降コレステロール作用を有する植物スタノールの安全性をさらに支持する一証査を提供するものと思われる.

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