作物収量と環境,土壌,管理要因の数量化分析 : 長崎県水稲,ばれいしょ,みかん収量の事例

書誌事項

タイトル別名
  • Quantification Analysis of the Contribution of Environment, Soil, and Management Factors to Crop Yields : Case Study of the Yields of Rice, Potato, and Orange in Nagasaki Prefecture
  • サクモツ シュウリョウ ト カンキョウ ドジョウ カンリ ヨウイン ノ スウリ

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説明

長崎県の土壌環境基礎調査(定点調査)の1巡目と2巡目(昭和54~62年度)の調査で得られた資料をもとに,水稲,ばれいしょ,みかんの収量を外的基準として数量化分析Ⅰ類を行い,これら作物の収量に対する環境,土壌および管理要因の相対的な寄与について評価した.水稲収量には,気象および地文(地形・地質)環境が強く影響した.県レベルでの水稲収量は,この2つの要因によって予測されえた.土壌要因の寄与は環境要因に比べて小さいものの,地域レベルの水稲収量は土壌統と一定の対応関係を示した.水稲収量と土壌要因との関係では,土壌統や土壌統群など土壌型としての表示が,土壌の化学牲を用いるよりもうまく対応し,土壌統群は水稲品種や窒素施肥量など管理要因よりも強く水稲収量に関係した.ばれいしょ収量に対する環境要因の寄与は小さく,むしろ土壌要因がより強く関係した.施肥量や品種も,相対的に大きい寄与をみせた.土壌要因のなかでは,土壌統群と並んで士壌の化学性,特にリン酸吸収係数がばれいしょ収量と密接な関係を示した.施肥量では窒素肥料の効果が最も大きかった.みかん収量は地文環境に依存し,地域ごとに平均みかん収量が予測されえた.土壌要因のなかでは,土壌型の寄与が母材よりも大きく,土壌の化学性も一定の関係を示した.みかん収量には,肥培管理よりも土壌の化学性が大きく影響し,リン酸吸収係数が樹園地土壌の生産性を分級する場合のひとつの指標になると考えられた.

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