広葉樹散孔材樹種における萌芽基部の木部形成

書誌事項

タイトル別名
  • Xylem Development at the Bases of Sprouts in the Branch of Diffuse-porous Species
  • コウヨウジュ サンコウザイ ジュシュ ニ オケル ホウガ キブ ノ モクブ ケ

この論文をさがす

抄録

芽の存在を木部形成と関係づけて検討するために, 広葉樹散孔材樹種6種を対象に, 枝の上部を切断して萌芽を生じさせ, 萌芽が木部形成に及ぼす影響を観察研究した. 1)萌芽が発生し, そのあとの成長が引き金となって枝の形成層活動が始まり, 形成層活動は萌芽の基部から始まり, 枝の下方に向かって進行することがわかった. 2)エゴノキとヤマザクラでは, 通常の樹幹における木部形成と萌芽による木部形成との聞で, 新生木部細胞の二次壁形成のパターンに違いがみられた. すなわち, これら2樹種では, 道管の二次壁形成が他の木部要素よりも優先して進行した. 3)萌芽により形成された道管の大きさは, 前年の早材部に形成された道管に比べて, 小さくなる傾向を認めた. なお, その減少割合は, 常緑性樹種におけるよりも落葉性樹種において大きかった.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ