ブドウ属植物の光合成速度に及ぼす光強度の影響

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タイトル別名
  • Effect of Light Intensity on the Photosynthetic Rate of Vitis
  • ブドウゾク ショクブツ ノ コウゴウセイ ソクド ニ オヨボス ヒカリ キョウ

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説明

光強度に対する光合成反応について調査するために, ブドウ野生種8種, 栽培品種6品種の計14系統を供試した. ブドウ葉の光合成速度は光強度の上昇に伴って高くなる傾向が見られた. ブドウ属植物の種, 品種又は温度条件によって異なるが, ほとんどは20~40klxの間で光飽和点に達し, 光補償点は0.2-2.0klxの間であった. 暗呼吸速度及び光補償点は高温ほど高くなった. 蒸散速度及び気孔拡散伝導度は, 20~30℃でも傾向は同じで, 光強度の上昇に伴って高くなるが, その後は増加の傾向が緩やかになった. 水利用効率は全ての種・品種において, 20klx前後まで光強度の上昇に伴って増加した. 高温ほど水利用効率の値は低くなる傾向にあった. 一方,細胞間隙内二酸化炭素濃度は光強度上昇に伴って低下した. ブドウ属植物において, 高緯度地域に自生する種は高温度ほど光合成速度が低下し, 光補償点及び光飽和点も低い傾向があった. 低緯度地域に自生する種は逆の傾向を示した. また,高温下では, 高緯度地域に自生する種の蒸散速度及び気孔拡散伝導度は低かった. 栽培品種では,同じ類縁関係をもつ品種間でも, 光合成速度, 蒸散速度, 気孔拡散伝達度, 細胞間隙内二酸化炭素濃度及び水利用効率の反応には違いがみられた.

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