<論説>五世紀の日本と朝鮮 : 中国南朝の冊封と関連して

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タイトル別名
  • <Article>Korea and Japan in the 5th Century : in relation to the enfeoffment of the Chinese Southern Dynasty

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説明

五世紀の日本や朝鮮の国際関係を、同様に中国南朝の冊封をうけていた他の諸外国の事例と関連させて検討するとき、そこに、従来よりは、豊富な史料と広い視野を獲得しうることとなろう。本稿は、かかる問題関心のもとに、まず「将軍」号に焦点を合わせて、当時の日本の国際的地位をさぐり、ついで、中国王朝の王号冊封の意義を考え、さらに、倭国王や百済王が、その臣下に宮爵を仮し、除正を願った問題を、北魏の「承制仮授」と関連させてみた。そして、さいごに、中国南朝の諸国王冊封を、軍事権(『都督諸軍事』) と行政権(「刺史」) の面から考察して、倭国王と「都督百済諸軍事」の問題を考えてみた。その結果、倭国王が「都督百済諸軍事」を、中国南朝から認められなかったのは、すくなくとも、ただ単に、百済王が、すでに中国王朝と交渉をもち、その軍権を与えられていたからといったような理由からではないことが明らかとなった。そこには、南朝の、きわめて積極的な政治姿勢をうかがいうるわけである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 52 (5), 615-645, 1969-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290699822636032
  • NII論文ID
    120006596656
  • NII書誌ID
    AN00119179
  • DOI
    10.14989/shirin_52_615
  • HANDLE
    2433/237944
  • ISSN
    03869369
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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