<論説>北宋士大夫の徒居と買田 : 主に東坡尺牘を資料として

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書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Wandering Shi-tai-fu 士大夫 and their Purchase of Land
  • 北宋士大夫の徒居と買田--主に東坡尺牘を資料として
  • ホクソウ シタイフ ノ トキョ ト バイデン--オモニ ヒガシハセキトク オ シリョウ ト シテ

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説明

北宋の著名な文人官僚蘇軾(東坡) は多数の書簡を残している。本稿はそのなかから彼の買田に関するものと、郷里の族人にあてた書簡をとりあげ、当時の士大夫の社会経済生活の一面を明かにしようとしたものである。蘇軾は謫流にあって生活に苦しんだ黄州時期より土地を探し求め、知人や土着の士人の斡旋をうけ、ようやく常州(浙江) に買田することができたが、その際に地方宮と結托して不正を働いた疑いももたれた。以後、生活の基盤をここに置き、故郷の眉州(四川) には一度も帰ることはなく、郷里の墳墓、家産等は族人らに管理をゆだねた。こうした本籍に帰らない風潮は北宋士大夫一般にみられることであり、軾みずからも記すように、生活および子孫の出世の便を求めてのことであった。それは当時の社会の流動的な一面を示すものである。他方、官僚になれず郷里にとどまる多数の士人が存在したことも注目しなければならない。

収録刊行物

  • 史林

    史林 54 (2), 206-231, 1971-03-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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