<論説>明代兀者衛に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>A Study of Wu-che-wei 兀者衛 in the Ming 明 Era
  • 明代兀者衛に関する研究
  • ミンダイ コツシャ エイニカンスルケンキュウ

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説明

兀者衛人は、明代の松花江流域に住んだツングース系部族の一種である。兀者衛に関する記録は、今日ではほとんど遺存せず、ただ朝鮮世宗二十一年(一四三九) 正月、都児也という兀者衛人が朝鮮に来朝し、そのさいの発言が『李朝世宗実録』に記るされるにすぎない。本論稿は、都児也の発言に即し、兀者衛の位置、生活様式につき考究したものである。第一・二章では、明代海西女直の範囲と兀者衛人朝鮮来朝の経過を論じ、第三章では、明代兀者衛の本拠が今日の吉林省烏拉街地方に在ったこと、第四章以下では、兀者衛人の牧畜、婚姻、結納、婚期、逆縁結婚、樹上葬の系譜等につき考察し、生活様式、ことに葬送形式および住地の近似性から、明代の兀者衛人が近世の赫哲族と系譜的に連らなるものであることを推定した。

収録刊行物

  • 史林

    史林 58 (1), 115-146, 1975-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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