<論説>前漢鏡の編年と様式

書誌事項

タイトル別名
  • <Article>The Chronology and Style of Earlyer Han's Mirrors
  • 前漢鏡の編年と様式
  • ゼンカンキョウ ノ ヘンネン ト ヨウシキ

この論文をさがす

説明

漢鏡は、文様や銘文が変化に富むため、編年を研究する恰好の材料とされてきた。本稿では、前漢代の九つの鏡式それぞれについて新たに細かい型式分類を試みると同時に、これまで等閑になっていた鏡式間の併行関係についても、新しい方法から検討を加え、前漢鏡の体系的な編年を組立てた。この編年に基づいて前漢鏡を大きく四期に分け、第一期は戦国鏡の伝統をひいた蟠螭文鏡を中心とし、以下、第二期は植物文様からなる草葉文鏡、第三期は幾何学的文様を中心とする異体字銘帯鏡、第四期は写実的な動物文様を主体とする方格規矩四神鏡の出現が画期となるものと考えた。そして鏡式の構成や文様意匠が各時期に相違するだけでなく、銘文の表現する意味内容にも大きな変動がみられることを明らかにした。本稿は、このように文様や銘文の変化を総合的に把握することによって、前漢鏡を漢代文化史のなかに位置づけたものである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 67 (5), 661-702, 1984-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ