<論説>政権参加期フランス共産党の植民地構想

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タイトル別名
  • <Articles>L'idee coloniale du P. C. F. en 1944-1947
  • 政権参加期フランス共産党の植民地構想
  • セイケン サンカキ フランス キョウサントウ ノ ショクミンチ コウソウ

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説明

一九四四年から一九四七年まで連合政権にあったフランス共産党は、経済的・政治的自立の余地がない戦前フランス植民地は帝国主義国の米英の傘下に入るよりは民主化されつつあるフランスの指灘下にあった方が良い、という論理に導かれ、フランス連合加入を戦前植民地に事実上強制し、さらにこの連合内においてフランス共和国が外交・軍事面で戦前植民地に対し優位を保つことを是認した。 共産党のこの植民地構想は、温情干渉主義的かつ中華主義的な精神溝造を内容とする、党特有の帝国意識の反映である。そして共産党の政権参加という状況が、フランス国内の民主化を一定実現したゆえに、この帝国意識を自己正当化しより根深いものにしたのであり、この点にこそ帝国意識からの解放について政権参加期共産党の植民地構想に内包されていた「限界」の深刻さがある。

収録刊行物

  • 史林

    史林 71 (5), 777-811, 1988-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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