<論説>七月王政期の自由正統主義 : 反革命の精神と議会制自由主義

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タイトル別名
  • <Articles>Le Legitimisme liberal sous la monarchie de Juillet : la contre-revolution et le regime parlementaire
  • 7月王政期の自由正統主義--反革命の精神と議会制自由主義
  • 7ガツ オウセイキ ノ ジユウ セイトウ シュギ ハンカクメイ ノ セイシン

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抄録

七月王政下、正統王朝派に自由主義的な分派(自由正統王朝派) が登場する。しかし、自由正統王朝派の政治思想の評価には混乱があり、彼らがフランス革命を肯定していたかのごとき主張もある。しかし、まず第一に、彼らは一七八九年の革命を容認していたわけではなく、この点で反革命派にかわりはない。とくにその反革命性は、ブルボン家の王位継承者への個人崇拝を煽った点と、合理主義的批判精神を封じ込め、人権思想の普及を防止する役割をカトリック教会に期待した点に具体的なかたちで表われていた。だが同時に、彼らが国民主権の原理を否定しながらも、フランス革命後の政治・社会の変化を受容しようとしていたことにも注意すべきである。たとえば、王権と議会の衝突を避けるため、議院内閣制を支持していた。このグループは、時代の変化に自らを適合させ、実行可能性の、より高い反革命戦略を準備しつつあったのである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 72 (4), 529-565, 1989-07-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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