<論説>伝クセノフォン『アテナイ人の国制』の成立年代

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Date of Composition of Pseudo-Xenophon's Constitution of the Athenians
  • 伝クセノフォン「アテナイ人の国制」の成立年代
  • デン クセノフォン アテナイジン ノ コクセイ ノ セイリツ ネンダイ

この論文をさがす

抄録

この作品の成立年代については、十九世紀中葉以後多数の学者によって多くの説が主張されてきた。その結果年代推定の手掛りとなる記事はすでに作品のなかからすべて取出され、新たに見出される余地はないようにみえる。しかも今日においても成立年代について定説が確立されたといえる状態にはない。ところで従来の研究では、年代推定の手掛りとなる記事その他は指摘しても、それを手掛りとして選んだ理由の説明は不足であった。それが年代推定を不確定にし、諸説を生むことにもなった。この研究状況において年代推定の決め手は、説得的かつ充分な理由づけにあるといえよう。 まず推定の基本的留意事項を掲げ、ついで多数の学者がその間に年代を推定している紀元前四三一―二四年の間に収まる説を中期説とし、この間以後とみる後期説、この間以前とみる前期説を批判した後、中期説の有利さを論証する。さらに中期説のなかでも四二五-四年説が正しいとしてその諸理由を詳細にのべたあと、四三一―三〇年説を批判して、結論的考察を行なう。

収録刊行物

  • 史林

    史林 74 (2), 227-259, 1991-03-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ