<論説>古代国家における馬の利用と牧の変遷
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- 吉川 敏子
- 京都大学大学院生
書誌事項
- タイトル別名
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- <Articles>The Use of Horses and the Transition of the Maki (牧)-system in the Ancient State
- 古代国家における馬の利用と牧の変遷
- コダイ コッカ ニ オケル ウマ ノ リヨウ ト ボク ノ ヘンセン
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説明
令制から延喜式制に至る牧制度変遷の理由を解明するために、当時の官馬への国家的要求がどのようなものであったのかという側面から考察を加えた。古代国家において馬の果たした役割は、軍事・交通・祭事等における貢献と多岐にわたっていたが、量的に最も多く必要とされていたのは駄馬としての労働であったと考える。古代における遷都の多さは他の時代に類例を見ないものであるが、そこでも馬は役馬として労働力を提供していたと思われる。遷都に伴う大造営事業の開始及び停止は、役馬の需要を急激に増減させ、馬政を掌る中央官司や、馬を供給する牧に影響を与えることとなった。八〜九世紀における牧制度の変遷は、このような馬の需要の在り方に対応したものであって、決して「令制の衰退」によるという質のものではなかったのである。本稿では、このような観点から、延喜式制の牧形成の意味を明らかにすることにつとめた。
収録刊行物
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- 史林
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史林 74 (4), 484-521, 1991-07-01
史学研究会 (京都大学文学部内)
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390290699823022336
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- NII論文ID
- 120006597693
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- NII書誌ID
- AN00119179
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- HANDLE
- 2433/239135
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- NDL書誌ID
- 3410653
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- ISSN
- 03869369
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可