<論説>古典期アテナイにおけるフィリアと共同体 : 「何人でも欲するもの」による訴追について

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タイトル別名
  • <Articles>'Philia' and the Polis in Classical Athens
  • 古典期アテナイにおけるフィリアと共同体--「何人でも欲するもの」による訴追について
  • コテンキ アテナイ ニ オケル フィリア ト キョウドウタイ ナンビト デモ

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抄録

ポリス社会は市民の集合体であり、市民の個人的・私的生活をささえる人的紐帯は、とりもなおさずポリス社会の根底にあってポリスの構造を規定していたといえる。本論文では古典期アテナイにおいて個人をとりまきささえていた人間関係の一端を、訴訟において、いかなる第三者が被害者にかわって訴訟当事者となったのかに対象を限って検討する。アテナイの訴訟制度においては、特定の犯罪について公訴といって、被害者にかわって加害者を訴えることが任意の第三者にたいして許されていた。また殺人訴訟においても、被害者のための訴追が必然的に第三者によっておこなわれたことはいうまでもない。これらの第三者による訴追形式において、個々の市民は、周囲をとりまくさまざまな人々のうちいかなる範囲の人々の援助を、実際に期待し得たのだろうか。さらには、それら個人を支える近しいものとの人間関係は、全体としてポリス社会においていかなる意味を持ち、ポリス共同体をいかに支えていたのだろうか。

収録刊行物

  • 史林

    史林 78 (4), 523-556, 1995-07-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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