<論説>ソロン、詩と政治

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タイトル別名
  • <Articles>Solon, Politik und Dichtung
  • ソロン,詩と政治
  • ソロン シ ト セイジ

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抄録

学説史においては先ず例外なしに前古典期は身分制的秩序の貫徹した時代とされ、古典期とは別の次元において考えられている。しかし、実を言うと、その種の見方は数多くの人工的操作の上に始めて成立するものであり、その根拠は洵に危うい。一々史料を精査していけばその根拠とされるものは動揺を来すのである。こうした作業を数多く積み重ねていく必要があるのだが、今回はソロンを扱う。ソロン改革ではなくその時代における政治の実態が対象である。以下、ソロン自身の詩を分析しつつそれに迫っていく。その結果、「貴族対平民」の角逐なる図像は浮び上ってこない。むしろこの時代の政治は古典期のそれとは必ずしも区別されないのではないか。ソロンの頃においても、アテナイの政治は民衆が相当程度参加するいわば開かれた体系をなしていたのである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 79 (4), 594-617, 1996-07-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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