<論説>垂加派知識人による正統性の生産

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>Suika School Intellectuals and the Production of Legitimacy
  • 垂加派知識人による正統性の生産
  • スイカハ チシキジン ニヨル セイトウセイ ノ セイサン

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説明

山崎闇斎によって唱えられた神道説である垂加神道の受容過程に着目し、垂加派の神道家が近世社会の中で文化資本をどのように獲得し、また再配分していったのか、を本稿では考察した。 垂加派が掲げた既成神道説の「集大成」とは、言説編成上の様式であり、近世的な知識人が、中世以来特権的な場で蓄積されてきた文化資本を獲得する様式である。垂加派の門弟は、師によって設定された伝授の階梯を経過することで、「集大成」によって獲得した文化資本を駆使して君臣の教説を正統化し、正統化した君臣の教説に基づいて、おもに公家・社家・武家など支配身分の職分を正統化する技法、能力を身につけることになる。垂加神道は、そのような正統性の生産能力を身につけることを求めた人々によって受容されたのであった。

収録刊行物

  • 史林

    史林 80 (3), 333-360, 1997-05-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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