<論説>西部・中部フランス封建社会における領主裁判

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>Seigneurial Justice in Western and Central France in the Eleventh and Twelfth Centuries
  • 西部・中部フランス封建社会における領主裁判
  • セイブ チュウブ フランス ホウケン シャカイ ニ オケル リョウシュ サイバン

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説明

成立期(一一、一二世紀) の領主裁判は、人をどのように裁いていたのだろうか。そこには、この時代に特有の刑罰の論理が見出されるようにおもわれる。まず、裁判領主は時に犯罪をはたらいた従属民を城の牢獄へと連行し、身代金がわりに罰金を徴収したが、これは同時代に騎士たちの戦争において定着しつつあった人質の慣行と共通する方法であった。また、領主裁判権を指示する用語の意味内容の検討から罰金刑の重要性を指摘した。さらに、罰金刑の背後にある犯罪を犯罪たらしめている根本的な論理に光を当てることを試みた。その論理とは、封建社会独特の空間と時間の区切り方であり、それが犯罪の有無や裁き方を決定していたことを示した。最後には、法廷の審理において神判、決闘、宣誓などがどのような役割を担っていたかについても論じた。

収録刊行物

  • 史林

    史林 86 (5), 656-688, 2003-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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