<論説>初期外邦測量の展開と日清戦争

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タイトル別名
  • <Articles>The Travel and Surveying for the Preparation of Maps in East Asia by Japanese Army Officers during the 1880s
  • 初期外邦測量の展開と日清戦争
  • ショキ ガイコクソクリョウ ノ テンカイ ト ニッシン センソウ

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抄録

日本が一九四五年八月までアジア太平洋地域について作製した地図を外邦図とよぶ。外邦図の作製は、明治初期に既存の地理情報の編集から始まるが、現場での測量をともなう本格的な地図作製は、日清戦争時に編成された臨時測底部以降とされてきた。他方筆者らは、アメリカ議会図書館で、一八八○年代に日本軍将校が作製した、中国大陸・朝鮮半島・台湾の手描き原図を大量に発見した。本稿ではこの概要を紹介し、将校らの偵察旅行、測量技術、さらにそれらにもとづく二〇万分の一図の編集を検討した。その結果将校らの旅行は、現地側が派遣する護衛が随伴するなど、基本的にその承認を得ていたこと、測量の精度は高くなく、密度も低くて、日清戦争にあわせて準備された二〇万分の一図は、主要交通路とその結節点を描く点と線の図にならざるを得なかったことが判明した。ただし、独自の測貴活動に基づいており、この時期を「初期実測時代」とするのが適切とした。

収録刊行物

  • 史林

    史林 93 (4), 473-505, 2010-07-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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