<論説>光緒戊戌年における反変法活動の意味

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Meaning of the Anti-Reform Activities in the 24th Year of the Guangxu Era
  • 光緒戊戌年における反変法活動の意味
  • コウチョ ボジュツネン ニ オケル ハン ヘンポウ カツドウ ノ イミ

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説明

戊戌の年、すなわち光緒二十四年に湖南で発生した変法派と保守派の闘争は、いったいどのような意味をもつものだったのか。変法派の主張は紳権の伸長をめざしながらも、科挙制度の改革により、かえって士という階級の相対化を導きかねないものであった。一方保守派の主張は、伸長せんとする神権に対して皇権の擁護を言うものであったが、中央の変法政策への転換が明確になるにつれ、彼らの立場は矛盾に満ちたものになっていった。変法派によって主導された科挙改革は、省政首脳の積極的な推進により湖南で地歩を占めつつあった。保守派はこれを士という階級の危機としてとらえ、この危機意識が彼らをあえて皇帝の意志に背かしめることとなる。彼らは変法派と同様に自らを組織し、その主張を公論に訴えることによって変法政策の推進を阻止しようとする。このような彼らの行動は、その意志に反して結局のところ皇権の相対化をもたらさざるをえないものであった。

収録刊行物

  • 史林

    史林 93 (6), 781-813, 2010-11-30

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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