<論説>管志道の思想形成と政治的立場 : 万暦五年張居正奪情問題とその後

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タイトル別名
  • <Articles>The Formation of Guan Zhidao's Thought and Political Stance, Focusing on His Attitude towards the Issue of Zhang Juzheng's Filial Mourning in 1577 and Its Aftermath
  • 管志道の思想形成と政治的立場 : 万暦五年張居正奪情問題とその後
  • カン シドウ ノ シソウ ケイセイ ト セイジテキ タチバ : バンレキ ゴネンチョウキョ セイ ダツ ジョウ モンダイ ト ソノゴ

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抄録

中国では二千年にもわたり皇帝を頂点とする政治体制が存続していた。なかでも中国明代の政治は強大な皇帝権力が特徴として挙げられる。なぜ皇帝政治が存続したのかを明らかにするためには、強大な皇帝権力を肯定的にとらえていた人物の思考を理解することが必要である。そこで本稿では明代後期の思想家管志道の思考と当時の政治状況がどのように関連しているのかを明らかにするため、管志道の奏議『奏疏稿』収録の各序文を用いて万暦五年に発生した内閣首輔張居正の奪情問題における管志道の立場とその後の管志道の自己イメージ形成について検討した。その結果、管志道は張居正奪情問題においては保身を優先し、この政治的体験によって政治主体としての士大夫の責任から逃避しようという思想にたどりついたことを明らかにした。

収録刊行物

  • 史林

    史林 101 (3), 504-533, 2018-05-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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