<論説>十九世紀琉球国の西洋語通事

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  • 張 子康
    京都大学文学研究科博士後期課程生・日本学術振興会特別研究員

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Role of Western Interpreters in Relations between Ryūkyū and the West in the 19th Century
  • 十九世紀琉球国の西洋語通事
  • ジュウキュウセイキ リュウキュウコク ノ ニシヨウゴ ツウジ

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抄録

十九世紀、東アジア地域へ進出した西洋諸国から盛んに接触を受けた琉球国は、主として英語、フランス語を習得した西洋語通事を養成し、彼らに西洋人への対応を委ねた。本稿は従来注目されることが少なかったこれら西洋語通事の制度的展開と具体的職務を解明し、琉球西洋交渉におけるその役割の大きさを示すものである。第一章では、まず近世期琉球における漂着船への対応体制を確認し、その先例が機能しなくなりつつあった先に西洋語通事が創設されたことを示す。第二章では、アヘン戦争後琉球に英仏宣教師が逗留するに及んで、西洋語通事職が体系的に整備、養成される過程を特に久米村通事との比較において示す。最後に第三章では、一八五〇年代に米ペリー艦隊、仏ゲラン艦隊が来琉し、それぞれ条約を締結して出航するまでの期間を対象に、通事係=西洋語通事の職掌がその重要性を増した過程を具体的な役割に即して検証する。

収録刊行物

  • 史林

    史林 102 (3), 474-509, 2019-05-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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