<論説>ドイツ帝國と文化鬪爭

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タイトル別名
  • <Articles>The German Empire and the Culture Struggle
  • <論説>ドイツ帝国と文化闘争

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説明

通説的にいえば文化闘争はビスマルクの失敗であつたと言われる。今仮りにこれを全面的に承認するとしても、しからば何故これがビスマルクの失敗に終つたかという事についての根本的原因を究める必要があろう。私はこの小論において、それを七一年のドイツ帝国内部の矛盾に求めた。即ちカソリックはドイツ帝国内に存在する分邦主義、大ドイツ主義と結合し、政治的、社会的な力としてビスマルク政策に対抗していくのである。結局ドイツ帝国はまだ本当に地方主義を超えた強い統一体にまでは成長していなかつたといえるのである。更に私はこの闘争をビスマルクの失敗と見る事に反対したい。それはビスマルク政策の立場が変つてきたのに伴う現象であり、むしろ失敗の如き外観によつてでも終了せしめたところに政治家としての偉大さを認めたいのである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 34 (4), 365-383, 1951-08-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290699825199104
  • NII論文ID
    120006816482
  • NII書誌ID
    AN00119179
  • DOI
    10.14989/shirin_34_365
  • HANDLE
    2433/249004
  • ISSN
    03869369
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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