<論説>ギリシア的世界史像 : その形成とラテン語世界への伝達

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タイトル別名
  • <Articles>Greek Image of World-History : Its Formation and Transmission to the Latin West

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説明

ヨーロッパ人の伝統的な世界史像においては、歴史の中心が東から西へと移行するが、この歴史像はギリシアに成立した特殊な性格の歴史学に由来する。ギリシアの歴史学は、自国のことよりも、むしろ外部の民族のことの記述から始まつたという独特の性格をもつ。そこには、地理的意味での世界全体への関心と、自民族を脅かす強大な外部勢力への敏感なる関心とがあつたが、この二つの性格をギリシアの歴史学は常にもち続けた。かくて、ペルシア戦争前後にペルシア史、次いでギリシア史が書かれ、またマケドニア、次いでローマが興隆すると、直ちにそれら新興国の歴史が書かれた。前一世紀に、これまでの成果が綜合されて、オリエントからローマに至るまでの歴史像が成立した。その特に明確な形のものがローマ人、とくにキリスト教徒に受容されて、後のヨーロッパに伝えられたので、かの伝統的な世界史像が成立したのである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 42 (4), 500-526, 1959-07-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290699825340288
  • NII論文ID
    120006818198
  • NII書誌ID
    AN00119179
  • DOI
    10.14989/shirin_42_500
  • HANDLE
    2433/249425
  • ISSN
    03869369
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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