<論説>イングランド国教会成立に関する一考察
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- 植村 雅彦
- 岡山大学助教授
書誌事項
- タイトル別名
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- <Articles>A Study on the Establishment of the Anglican Church
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説明
イギリス宗教改革の本質は、イギリスにおける教会がローマの支配下から独立したということ、すなわち「イングランド国教会」の成立という点にある。本来ローマ教会に対し忠実であつたヘンリー八世が、このような革命的行為に出たことについては、無論、個人的な離婚問題が我々の無視できぬ契機をなしているが、しかしそれは「イングランド国教会」の成立ということと直線状に連なるものではない。当時のイギリス国民、特に中産階級の間にあつた反聖職権的・反教皇的感情が、国王の離婚問題を契機として急速に表面化し、イギリスにおける教会の独立をもたらしたと考えるべきである。そして、このようなことが可能になったのは、中産階級が国王の側近に彼らの階級の代弁者とも言えるトーマス・クロムウェルを得たからであり、この人物は、中産階級の心情と要求とを国王に伝達すると同事に、彼らの行きつくべき目標を明示し得たのである。
収録刊行物
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- 史林
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史林 43 (3), 329-360, 1960-05-01
史学研究会 (京都大学文学部内)
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390290699825410176
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- NII論文ID
- 120006818255
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- NII書誌ID
- AN00119179
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- HANDLE
- 2433/249488
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- ISSN
- 03869369
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可