<論説>余戸論

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タイトル別名
  • <Articles>On Amaribe 余戸

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抄録

多少の異論はあつたが、従来余戸は戸令為里条の第一句の義解に「若満六十戸者、割十戸立一里、置長一人」とある、十戸の里のことであるとされるのが通説であつた。然るに出雲風土記その他の史料によるにるに、余戸は郷 (令条の里) でも里 (こざと) でもなく、通常の郷里のわく外に存在する村落としての取扱いをうけている。すなわち余戸は郷でも里でもないのである。 この様な性格の聚落をたずねると、戸令為里条の後段「若山谷阻険、地遠人稀之処、随便量置」という規定の、集解古記に「随便量置、謂、廿五戸以上、但不足廿五戸以上者、不置長、以保長催駈耳」という解義あつて、この保長催駆の「準里戸集団」こそがまさしく余戸であると考えられる。地理的条件を尋ねても、余戸は山谷阻険であり、或は地遠であつて、恐らく人稀でもあつたろう処に限つて存在している。

収録刊行物

  • 史林

    史林 43 (5), 710-731, 1960-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390290699825417472
  • NII論文ID
    120006818282
  • NII書誌ID
    AN00119179
  • DOI
    10.14989/shirin_43_710
  • HANDLE
    2433/249517
  • ISSN
    03869369
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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